岡部美央さん
・出身地:熊本県
・移住年:2022年10月

友人の誘いで移住を決意。農業を学ぶ日々

Q.津久見に移住したきっかけはなんですか?

写真:みかん畑で、笑顔でインタビューに答える岡部さん

同じ地域おこし協力隊の水本さんに誘われたのがきっかけです。もともと彼の奥さんと友人で、津久見には3回ほど遊びにきたことがありました。

20歳で生まれ故郷の熊本を離れ、東京で大型トラックの運転手をしていました。ちょうど仕事を辞めようかなと考えていたタイミングで声がかかり、移住を決意したんです。
私の実家も津久見のような雰囲気の町で、いずれ九州に戻りたいという気持ちはありました。農家になるというのは考えたこともありませんでしたが、ちょうどタイミングが合ったのも決意に至った理由です。

トラック運転手から農家とはかなりの挑戦ですね

写真:収穫したみかんをトラックに積み込む岡部さんと中野さん

そうですね。トラックの運転手は完全な男社会で「どうせすぐ辞めるだろ」と言われてきました。でも負けず嫌いなこと、そしてひとつの技を極めることが好きな性格なので続けられした。

トラックの運転も、農業も、技術を極めることが大事なので、その点は自分に合っていると思います。みかんも「手をかけた分だけ応えてくれる」と教わったので、いろんなことを覚えていきたいです。
 

「農家は大変」とは聞いていたけれど、夢はどんどんふくらんでいます

Q.移住するまでの流れや気持ちを教えてください

写真:みかんを収穫する手のアップ

住むところについてはネットで物件を探し、地域おこし協力隊の面接の日に内見をしました。私は犬を飼っているのですが、ペット可の物件が少なくて困りましたね。条件に合うところを見つけたときには、すぐに契約しました。

もちろん移住前の不安は大きかったです。農業に関しては「大変だよ」と言われていましたし、実際のところ畑の手入れは欠かせませんし、天気の関係で上手く行かないこともあったりして、戸惑うことも多いです。でも「自分たちが手をかけて作ったものを、美味しいと言ってくれる人がいることがご褒美」という農家の皆さんの声を聞いてから、考え方が変わりました。今は私が育てたみかんが、どんな人たちの口に入るのか、夢がふくらむばかりです。

「今、生きている!」を実感できるみかん畑での仕事

Q.実際に暮らしてみてわかったこと、生活の変化はありますか?

写真:みかん畑から街を見下ろした風景

こんなに静かな自然の中で、楽しく仕事できることが最高です。「今、私、生きてる!」と感じますね(笑)。本来の人間の姿に戻っていると思うことも、たくさんあります。毎日の時間が経つのも早く、あっという間なんですよ。燦々とした太陽の下での土いじりや、何かを育てることが好きだったことに、あらためて気づかされました。

買い物が不便だと思うことはありますが、物欲はなくなりましたね(笑)。車がないと生活できませんが、津久見の風景と空気は最高です。みかん畑の上から眺める海が広がる絶景に、疲れも吹き飛びますよ。
 

Q.現在のお仕事について教えてください

写真:中野さんと一緒にみかんを収穫する岡部さん

地域おこし協力隊の就農見習いとして、みかん農家の中野新一さんのお世話になっています。みかんを収穫したり、選果したり、作業はいくらでもあります。まったくわからないことばかりで覚えるのは大変ですが、毎日新しい発見があって、面白く感じています。中野さんが本当にいい人で、この人の下で勉強できて、まるで宝くじにあたったような気分です(笑)。みかん畑で一緒に仕事している時間が、何よりも楽しいですね。奥さんも娘さんも、私のことを心から応援してくれています。ですから不満やストレスなど一切ありません。

地域おこし協力隊の仕事は、朝8時から16時過ぎくらいまでです。一ヶ月の勤務日数が17日と決まっていて、スケジュールは自分で好きに組めます。予定を立てやすいから、空いてる日をどう過ごすか考えるのも楽しく感じています。
 

若い世代が「農業ってスゴイ」と思える農家を体現したい

Q.今後やりたいことについてお聞かせください。

写真:みかんの木々の間に設置されたみかん用モノレール

以前は「みかんといえば津久見」と言われていたらしいですが、全国にみかんの産地が増えて埋もれてしまったと聞きます。だから当時の盛り上がりを復活させたいんです。かつては山をみればどこもみかん色、駅に降りればみかんの香りが漂っていたというくらいに盛んだったそうですね。

そのためには、若い人を増やして、みかん専業農家として成功することが、1番の地域起こしになると思っています。水本さんと協力して、若い人も働きやすい環境を作りたいと考えています。「農業って楽しいよ! こんなに儲かるよ!」というお手本になりたいですね。

もうひとつ、夢があります。地域の子どもたちと一緒に、ホタル観賞ができる場所を作って、イベントが出来たらと思っています。今あるイベントも、さらに津久見が面白くなる仕掛けを加えて、どんどん盛り上げていけたらなと考えています。
 

Q.これから移住を考えている方へメッセージをお願いします

写真:みかんの木の前で、笑顔でカメラ目線の岡部さんと中野さん

移住するかどうか迷っている人は、とりあえず行動を起こせば案外どうにでもなるものと、私自身は実感しています。実際に移住生活を始めて、新しく見えてきたものもたくさんありました。もし自分に合わないなと思ったら、やり直すこともできるでしょう。住んでみないと、何もわかりません。

私は移住してきてよかったなと、つくづく感じています。別の農家さんから野菜をもらったり、ご近所さんから調味料を貸し借りしたり、津久見って昔ながらの人情味があふれる町だなと思うことも多いです。やはり地元の人と関わることが大切ですね。古くから住んでる人にしかわからないことをアドバイスしてもらえるし、パッと視界も広がりますよ。
移住してくる人への支援策などもあるし、津久見の暮らしが気になったら、役所の人に直接問い合わせてみるといいと思います。

※当インタビューは、2023年2月に行われたものです。