水本純平さん
出身地:兵庫県
移住年:2022年10月

みかん農家から地域活性化を目指す

Q.津久見に移住したきっかけはなんですか?

写真:笑顔でインタビューに答える水元さんの横顔

いろいろな理由やタイミングが重なって、移住することになりました。ひとつは、妻が津久見市の出身で、義理の父がみかん農家をしていることです。私は19歳から東京で生活し、人材派遣やイベント企画などの会社で働いていました。

しかし、愛犬が亡くなったことをきっかけに、これから先も都会で暮らしていくことはどうなのかなと考えはじめました。ちょうど同じ時期に、今は他界してしまった私の父からも、「津久見でみかん農家をやってみたら?」と勧められたんです。

一次産業をやってみたいという気持ちもありました。わからないことだらけで心配もあったのですが、妻の実家の手伝いをした時に皆さんが親切に教えてくれ、これまで経験してきた仕事とは全然違うなと感じると同時に、太陽と青空の下で気持ちよく働くことに興味を持つようになったんです。
 

Q.移住するまでの流れを教えてください。

写真:ハウスの骨組みとみかんの木

私も津久見でみかん農家をしたいと思っていたところ、地域おこし協力隊の募集があることを知り、応募しました。事前にインターネットで住まいの物件を探し、ある程度の目星をつけて、津久見で面接があるタイミングで内見をしました。一人住まいのワンルームなどは少ないのですが、古民家などが多くて、ある程度物件は限られていたのですが、その日に即決しましたね。
 

自然のスケールの大きさと魚のウマさが圧倒的な津久見

Q.現在のお仕事内容を教えてください

写真:サテン掛け(みかんに黒い布をかぶせる作業)をしてる手のアップ

地域おこし協力隊として新規就農に向けて勉強中で、みかん農家で見習いをしています。毎日いろんなみかん畑に行って収穫したり、手入れをしたり、選果したり、日々やる作業が変わります。スタートから約4ヶ月経っていますが、覚えることで精一杯ですね。

「サンテ掛け」という、みかん一つひとつに黒い布のようなものをかぶせながら、一列ずつ収穫する作業があるのですが、それが結構大変なんです。それでも、みかん色だった場所が緑一色になっているのをみると、なんともいえない達成感があります。
 

Q.実際に暮らしてみてわかったこと、生活の変化はありますか?

写真:インタビューに手振りを交えて答える水元さん

東京では公共交通機関を使って移動することが多かったので車の燃料費を意識するようになりましたが、空気がよくて、星空がきれいなことをあらためて感じています。私はバイクに乗るのが好きで、移住前に大分県内をあちこちツーリングしたんですが、人生観が変わるくらいに感動しましたね。東京近辺とは違い、自然のスケールが大きい。こんなすごい景色が身近にある津久見が気に入っています。

以前の仕事はデスクワークが中心で、体を動かす習慣もありませんでした。農業に携わるようになった最初の頃は筋肉痛になったりもしましたが、今ではすっかり慣れてしまいました。
無駄使いも減りましたね。あと、とにかく魚介類が美味しいんです。身近にあるスーパーに並んでいる寿司やお刺身が新鮮で美味しいのには、本当に驚きますよ。

Q.現在の楽しみはなんですか?

写真:小さな愛犬を大切に持ち、優しい目線を向ける水元さん

生後3ヶ月の愛犬と遊ぶことです。まだ小さすぎてあまり外に連れ出せないのですが、とにかく可愛いですね。もう少し大きくなったら、のびのびとした環境であちこち散歩に行けるようになる日を楽しみにしています。

若者を津久見へ呼び寄せたい。移住希望者を全力でサポートします!

Q.これからやりたいことについてお聞かせください。

写真:木に生った2つのみかんを手のひらで支えた手のアップ

津久見への移住者を増やしたいです。全国的にもそうですが、津久見の農家は高齢化が進んでいます。70歳でも“若手”と言われるくらいなんですよ(苦笑)。だから私たちのような30代以下の世代が増えていけば、地域の活性化にもつながります。

若い世代を増やすため、私が以前働いていた知識を生かした農業の人材派遣の会社をやりたいなと思っています。農家の繁忙期にあたる忙しい時にだけ必要な人手をまかなったり、新規就農のための教育をしたりするような会社を作りたいですね。地域おこし協力隊の法人版みたいなものです。

移住は、外部から来た人にとってはハードルが高いと思われがちです。家賃や物価も、思っていたほとせ安くはありません。だからこそ移住の先輩である私たちが、移住してきた人たちを全力でサポートしたいです。最初は心細く感じるでしょうが、同じ世代の人とつながる、友人を作るのは絶対に大切なことだと思います。そこのフォローは惜しみません。

移住に必要なのは“ノリ”と“勢い”。まずは聞くことからコミュニケーションを

Q.これから移住を考えている方へメッセージをお願いします。

写真:移住者へのメッセージを語る水元さん

移住には“ノリ”と“勢い”が大事です。わからないことがあった時、それを素直に聞けると地域に受け入れられ、定着します。

「自分で頑張りたい」「ひとりで解決したい」「なんとかできる」と思うことは悪くないし大切ですが、どんなことでも聞いてもらえるほうが教える側も嬉しいですよね。教えがいもあります。ロープの結び方ひとつとっても、普段やってる人には簡単だけど、私たちにはできないことがたくさんありますから。素直に聞けば、みんな絶対にやさしく教えてくれます。最初のうちは早口だし、方言も混ざっているしで、言葉の意味が理解できないかもしれませんが、メゲずに聞いてみるといいですよ。そうこうしているうちにコミュニケーションがとれるようになり、仲良くなります。

農家は一人ではできません。だからこそ、横のつながりが大切なんです。まずは近隣の人に挨拶することが、地域に溶け込んでいくコツですね。新しく津久見に来た人たちが定住できるよう、全力でフォローします!
 

※当インタビューは、2023年3月に行われたものです。